Amazon SES Mail Managerとは
Amazon SES Mail Managerは、Amazon Simple Email Service(SES)の新しいメールゲートウェイ機能群になります。
簡単に機能を羅列しますと
- メールの受信機能 ※1
- 受信メールのフィルタリングや配送ルール設定
- メールのアーカイブ
- 受信メールに対する追加処理機能
となります。
※1 専門的な表現をすると、ここでいう受信はPOP3やIMAPのようなものではなく、SMTPリレーの受取役という意味になります。
今回のやってみた
今回はこのいくつかの機能のの中で
「メールの受信機能」の紹介をしてみます。
想定パターンとしては
「 example.com というドメインを取得したが、ドメイン証明をする必要がでてきた。
ドメイン認証として、メールを受信してその中のURLを開く必要がある。
でもメールサーバ立てるのも面倒。workmailもよくわからない。」
という場合を想定します。
1. アーカイブ設定の作成
メールのアーカイブの設定です。
メールの保存期間を設定します。
今回は
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Archive name : mail-receive-01 Retention period : 3 months KMS key ARN : (空白、デフォルト値)(暗号化しない) |
とします。
注意点として、保存日数は自由にできるものではなく、選択肢から選ぶ格好になります。
2025/07/17現在、
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 |
3 months ( 3 ヶ月 ) 6 months ( 6 ヶ月 ) 9 months ( 9 ヶ月 ) 1 year ( 1 年 ) 18 months ( 18 ヶ月 ) 2 years ( 2 年 ) 30 months ( 30 ヶ月 ) 3 years ( 3 年 ) 4 years ( 4 年 ) 5 years ( 5 年 ) 6 years ( 6 年 ) 7 years ( 7 年 ) 8 years ( 8 年 ) 9 years ( 9 年 ) 10 years ( 10 年 ) Permanent ( 無期限保存 ) |
となっています。保存期限についてAWSドキュメントにも記載がないので
たとえば1ヶ月の保存でいいのだけど・・などの要件は満たさないのでご注意ください。
また、受信したメールは長期保存が前提のサービスとなるので
「受信したらすぐに消す」ということはできません。
削除できるタイミングは
- 上で設定した保存期間が経過した場合の自動削除
- アーカイブ設定を削除してから30日後
のどちらかになります。
2. トラフィックポリシーの作成
受信したメールをどうするかの設定です。
今回はすべて受信とするため、デフォルト許可とします。
今回は
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Traffic policy name : mail-receive-01 Maximum message size : (空白、デフォルト値) Default action : Allow |
とします。
3. ルールセットの作成
トラフィックポリシー内で使うルール設定です。
今回はすべて受信とするため、デフォルト許可とします。
今回は
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Rule name : mail-receive-01 Rule conditions : Fromアドレスに @ を含むもの Actions : Archive Archive action : 選択肢から先程作成したものを選択 |
とします。
4. イングレスエンドポイントの作成
MXレコードに設定する、受信設定になります。
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Ingress endpoint name : 今回は mail-receive-01 Type : Open (デフォルト値) Rule set : 選択肢から先程作成したものを選択 Traffic policy : 選択肢から先程作成したものを選択 Network type : public (デフォルト値) Ingress endpoint IP address type : IPv4 (デフォルト値) |
5. イングレスエンドポイントをMXレコードに設定
エンドポイントの作成が完了すると、AWSコンソール上で
xxxxxxxxxxxx.edpv.mail-manager-smtp.amazonaws.com
といったエンドポイントが発行されます。これを今回受信設定したいドメインのMXレコードに設定します。
今回の例ですと、
hoge@example.com という形式のアドレスを受信したいので、
example.com. MX 10 xxxxxxxxxxxx.edpv.mail-manager-smtp.amazonaws.com.
というような格好になります。
もしドメインがサブドメインを含む場合、たとえば hoge@sesreceive.skyarch.net は
sesreceive.skyarch.net. MX 10 xxxxxxxxxxxx.edpv.mail-manager-smtp.amazonaws.com.
となります。
(※DNSサーバによって設定方法は異なるので、設定方法は省略します)
6. メールを送信してみる
お手元のメールソフト(gmailやoutlook等)から、設定したドメイン宛にメールを送ります。
メールの@より前は何でも良いです
7. アーカイブ内容の確認
Mail Manage のアーカイブ設定から、直近12時間などで検索をします
正常に届いていれば、View details から本文などの確認ができます。
活用ポイント
Mail Managerのメリットとして、「受信するドメイン部やアドレス部に制限がない」
というのがあります。
そのため、1イングレスエンドポイントに複数のMXを当てることができます。
example@sesreceive.skyarch.net
sample@ses.skyarch.jp
mail@awsmail.skyarch.co.jp
のようなアドレスを受信したいとなった場合、通常であればメールサーバを3ドメイン分必要ですが、
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sesreceive.skyarch.net. MX 10 xxxxxxxxxxxx.edpv.mail-manager-smtp.amazonaws.com. ses.skyarch.jp. MX 10 xxxxxxxxxxxx.edpv.mail-manager-smtp.amazonaws.com. awsmail.skyarch.co.jp. MX 10 xxxxxxxxxxxx.edpv.mail-manager-smtp.amazonaws.com. |
のように、共通の1エンドポイントをMX先として指定して利用することができます。
まとめ
「とりあえず受信さえできればいい」という要件であれば
すぐに数分で受信環境が整うのが今回のMail Managerのメリットと個人的には考えます。
ただ、返信などはできないので、そのような機能が必要であれば、WorkMailを検討すると良いです。
投稿者プロフィール
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2013年入社の平成生まれです。
初めて触ったコンピュータはPC9821でダイヤルアップでした。
その時に鯖落ちや人大杉の対応をしてくださる鯖缶になりたいと憧れ、
みなさんのお役に立てればと思っております!
#今では個人所有のパソコン・サーバだけで20台ほどあります…。
サーバー大好き!
















