ITベンダー資格には何がある?将来に向けて活用出来るIT民間資格をご紹介


ITベンダー資格には何がある?IT民間資格をご紹介

ベンダー資格とは、ベンダーと呼ばれるIT関連のハードウェア/ソフトウェアの製品を製造や販売する企業が、製品の操作方法や保守方法などのスキルを認証する資格を示します。

日本ではIT国家資格として情報処理技術者試験が有名ですが、ITベンダー資格は取得することで世界的にも評価されるメリットがあり、特に外資系や海外でITエンジニアとしての活躍を志している方には、ぜひとも取得しておきたい資格といえます。

しかし、ベンダー資格の短所として、受験料の高額さや試験によっては日本語で受験できないなど考慮すべき点も多々ありますので、IT国家資格と比較しながら自分のキャリアプランに合わせて吟味する必要があります。

この記事では、数あるIT関連のベンダー資格の中で世界的に知名度の高い資格を中心に、各ベンダー資格の制度などもできるだけご紹介していきたいと思います。

なお、多くのITベンダー資格は受験料などの情報が頻繁に変更されるため、この記事では受験料などの情報は記載しておりません。詳細についてはご自身で各ベンダー資格の公式サイトなどをご確認ください。

注目のITベンダー資格について

最初に、世界的な知名度が高く、さらにすべての試験が日本語で受験可能な以下のITベンダー資格についてご紹介していきます。

  • AWS認定資格
  • LPIC

AWS認定資格

AWS認定資格とは、アマゾン社が提供するクラウドサービスAWSが認定するクラウドエンジニア向けの資格です。クラウド関連の資格としては最も知名度が高い資格といえ、すべて日本語での受験が可能となっています。

このAWS認定資格は、基礎コース、アソシエイト、およびプロフェッショナルの3段階に分かれ、その各段階で資格が設定されています。

基礎コース

基礎的なAWSクラウドの知識が問われ、以下の資格が設定されています。

アソシエイト

1年間を目安としたAWSクラウドの使用経験から、問題解決のスキルなどが問われ、以下の資格が設定されています。

  • AWS認定ソリューションアーキテクト
  • AWS認定SysOpsアドミニストレーター
  • AWS認定デベロッパー

プロフェッショナル

2年間を目安としたAWSクラウドの使用経験から、ソリューションの設計、運用、およびトラブルシューティングに関連するスキルを問われ、以下の資格が設定されています。

  • AWS認定ソリューションアーキテクト
  • AWS認定DevOpsエンジニア

また、上記とは別にAI(人工知能)エンジニアなどを対象とした「専門知識」という分野で、以下の資格が設定されています。

  • AWS認定機械学習
  • AWS認定Alexaスキルビルダー
  • AWS認定セキュリティ
  • AWS認定高度なネットワーキング
  • AWS認定ビッグデータ

▼詳しくは知りたい方は、下の記事を参考に

AWSエンジニアになれる一番の近道のAWS資格とは?認定資格の全体像と学習方法

LPIC

LPICは、カナダに本拠地がある非営利団体のLPI(Linux Professional Institute)によって運営されているLinuxエンジニア向けの資格です。

この試験は、LPIの日本支部が運営しており、CBT(Computer Based Testing)と呼ばれるコンピュータ上で試験が遂行される制度を取っています。

LPICの特徴として、特定のベンダーに依存しないニュートラル(中立)な資格であり、Linux関連の認定資格としては、世界で最も知名度の高い認定資格といえます。このLPICは、初級レベル(LPIC-1)、中級レベル(LPIC-2)、そして上級レベル(LPIC-3)の3段階に分かれ、上級レベルのLPIC-3では、さらに3つの専門分野の資格に分かれています。

また、各資格を取得するために義務付けられている試験は、すべて日本語での受験が可能となっています。

各レベルの資格の詳細は、以下のとおりです。

初級レベル(LPIC-1)

Linux管理者向けの資格です。資格認定には、101試験と102試験の合格が義務付けられています。Linuxの基本操作やシステム管理の基礎的知識などが問われる試験となります。資格認定有効期間は取得後5年間です。

このLPIC-1では、以下の能力などが認定されます。

  • Linuxを実行しているコンピュータを構成し、基本的なネットワークを構築
  • Linuxシステムの設計/構築
  • ファイルへのアクセス許可やシステムセキュリティ処理

中級レベル(LPIC-2)

Linuxエンジニア向けの資格です。資格認定にはLPIC-1を取得し、さらに201試験と202試験の合格が義務付けられています。Linuxシステム管理の応用的な知識やサーバー構築の知識などが問われる試験となります。資格認定有効期間は取得後5年間です。

このLPIC-2では、以下の能力などが認定されます。

  • Linuxカーネルやシステムの起動と保守に関する一般的なタスクを含む高度なシステム管理
  • ファイアウォールやVPNなどの高度なネットワーキングと認証やシステムセキュリティだけでなくブロックストレージとファイルシステムの高度な管理
  • 他の作業メンバーへの指揮命令や助言などのサポート

上級レベル(LPIC-3)

LPIC-3は、LPIが運営する複数の認証プログラムの中でも最高峰と位置づけられる資格です。このレベルでは、「混在環境」、「セキュリティ」、および「仮想化とハイアベイラビリティ」の3つの専門分野の資格に分かれ、各資格の指定する試験に合格すると、その専門分野の資格が認定されます。

専門分野ごとの資格の詳細は以下のとおりです。

LPIC-3 300(混在環境)

Linuxエキスパート(混在環境)向けの資格です。資格認定にはLPIC-2を取得し、さらに300試験の合格が義務付けられています。資格認定有効期間は取得後5年間です。

LPIC-3 300(混在環境)では、以下の能力などが認定されます。

  • Samba共有設定
  • Sambaユーザーとグループの管理
  • Sambaドメイン統合
LPIC-3 303(セキュリティ)

Linuxエキスパート(セキュリティ)向けの資格です。資格認定にはLPIC-2を取得し、さらに303試験の合格が義務付けられています。資格認定有効期間は取得後5年間です。

LPIC-3 303(セキュリティ)では、以下の能力などが認定されます。

  • 暗号学
  • アクセス制御
  • アプリケーションのセキュリティ
LPIC-3 304(仮想化とハイアベイラビリティ)

Linuxエキスパート(仮想化とハイアベイラビリティ)向けの資格です。資格認定にはLPIC-2を取得し、さらに304試験の合格が義務付けられています。資格認定有効期間は取得後5年間です。

LPIC-3 304(仮想化とハイアベイラビリティ)では、以下の能力などが認定されます。

  • 仮想環境構築
  • 高可用性クラスタ管理
  • 高可用性クラスタストレージの構築/管理

人気のITベンダー資格について

ここでは、ITベンダー資格の中でも特に知名度が高く人気のある以下の資格をご紹介していきます。

  • シスコ技術者認定
  • オラクルマスター
  • オラクルJava認定試験
  • Microsoft Azure認定資格
  • Google Cloud認定資格

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、シスコシステムズ製品の操作や保守に関連する技術を認定するネットワークエンジニア向けの資格で、ITベンダー資格の中でも非常に知名度の高い資格です。

この資格はエントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパート、およびアーキテクトの以下の5段階に分かれ、その各段階で資格試験が実施されています。

※シスコ技術者認定は、2020年に大幅な改定が行われました。詳細はシスコ社の公式サイトでご確認ください。

エントリー

コンピュータネットワークの初歩的な知識が備わっているレベルとなります。ネットワークエンジニアを目指す方向けといえます。ここでは、「CCT」という資格試験が実施されていますが、(この記事の執筆時点では)試験は英語のみとなり日本語での受験はできません。

※従来実施されていた知名度の高い「CCENT」は2020年に廃止されました。

アソシエイト

ネットワークエンジニアとして、基礎的なスキルが備わっているレベルとなります。ネットワークエンジニアとして初歩的な実務ができると認められます。ここでは、「CCNA」という知名度の高い資格があります。

また、ソフトウェアの知識が問われる「DevNet」の「Associate」レベルの資格も新設されました。

プロフェッショナル

ネットワークエンジニアとして、一人前と判断されるレベルとなります。このレベルまできたらネットワークエンジニアとしてかなりの評価を受けるレベルといえます。ここでは、「CCNP」という知名度の高い資格が、「Enterprise」や「Collaboration」など数種類に分かれて設定されています。

また、ソフトウェアの知識が問われる「DevNet」の「Professional」レベルの資格も新設されました。

エキスパート

ネットワークエンジニアとして、世界的に評価されるレベルとなります。このレベルまできたら海外でもトップレベルのネットワークエンジニアとして評価されます。ここでは、「CCIE」という知名度の高い資格が、「Enterprise Infrastructure」や「Collaboration」など数種類に分かれて設定されています。

また、高度なネットワークインフラストラクチャ設計のスキルが問われる「CCDE」という資格などもあります。

アーキテクト

ネットワークエンジニアとして、世界最高峰レベルとなります。シスコ技術者認定の中で最高峰の位置づけとなり、ネットワーク設計に関連する専門知識を習得していると認定されます。ここでは、「CCAr」というシスコ技術者認定の最高水準の資格があります。認定条件にエキスパートレベルでご紹介した「CCDE」の有効資格が必要となります。

なお、ネットワークエンジニア向けの国家資格で「ネットワークスペシャリスト試験」がありますが、こちらはネットワーク関連全体の知識を問う試験で、シスコのネットワーク機器に対しての知識と実技のスキルが問われるシスコ技術者認定とは少し趣が違っています。

オラクルマスター

オラクルマスターとは、オラクル社が認定するデータベースエンジニア向けの資格です。この資格もシスコ技術者認定と並んで、ITベンダー資格の中で非常に知名度の高い資格です。

この資格は、認定対象の製品バージョン毎にBronze、Silver、Gold、およびPlatinumの4段階に分かれており、最新の資格体系は以下のようになっています。

ORACLE MASTER Bronze DBA

ITエンジニアとして、データベースの基礎的な知識を問われる試験となります。データベースエンジニアを目指す方にとっても最初の一歩となる位置づけの資格です。

ORACLE MASTER Silver DBA

データベースエンジニアとして、SQLの使用など基本的なスキルを問われる試験となります。データベースエンジニアとして初歩的な実務ができると認められるレベルの資格です。

ORACLE MASTER Gold DBA

データベースエンジニアとして、マルチテナント環境などでのスキルが問われる試験となります。前提条件として、「ORACLE MASTER Silver DBA」の有効資格の取得が義務付けられています。データベースエンジニアのプロフェッショナルとして認定される資格です。

ORACLE MASTER Platinum DBA

データベースエンジニアとして、エキスパートに位置づけられる資格となります。オラクルマスターの最高峰の資格となります。

なお、データベースエンジニア向けの国家資格で「データベーススペシャリスト試験」がありますが、こちらはデータベース関連全体の知識を問う試験となり、Oracle Databaseに対しての知識と実技のスキルが問われるオラクルマスターとは少し趣が違っています。

オラクルJava認定試験

オラクルマスターと同じく、オラクル社が認定するJavaプログラマ向けの資格です。

近年最も知名度の高いコンピュータ言語といえるJavaですが、もともとはサン・マイクロシステムズ社によって開発され、日本でも基本情報技術者試験で午後試験の選択言語に追加されています。

その後、2010年にオラクル社がサン・マイクロシステムズ社を吸収合併し、2012年にJavaSE7のリリースを皮切りに試験体制が刷新され、Bronze、Silver、およびGoldの3種類の資格が設定されています。

この資格はバージョンがリリースされるごとに資格も更新されるため、最新のバージョンについてはオラクル社の公式サイトをご確認ください。

Microsoft Azure認定資格

Microsoft Azureとは、マイクロソフト社が提供するクラウドサービスです。そのMicrosoftAzureに対してのスキルを問う認定資格がMicrosoft Azure認定資格です。

この認定資格はマイクロソフト製品に対するスキルを認定するMCP(マイクロソフト認定プログラム)内の資格となります。このMCPの中でも近年のクラウド事業の隆盛などもあり、Microsoft Azure関連の認定資格の需要が高まっています。

このAzure関連の認定資格は初級、中級、上級のレベルに分かれ、執筆時点では以下の認定資格があり、各認定資格を取得するには指定された試験に合格する必要があります。

初級レベル

  • Azure Fundamentals(開発者向け)

中級レベル

  • Azure Administrator Associate(管理者向け)
  • Azure Data Engineer Associate(データエンジニア向け)
  • Azure AI Engineer Associate(AIエンジニア向け)
  • Azure IoT Developer Specialty(開発者向け)
  • Azure Database Administrator Associate(管理者向け)
  • Azure Developer Associate(開発者向け)
  • Azure Data Scientist Associate(データサイエンティスト向け)
  • Azure Security Engineer Associate(セキュリティエンジニア向け)
  • Security Administrator Associate(管理者向け)

上級レベル

  • Azure for SAP Workloads Specialty(管理者向け)
  • Azure DevOps Engineer Expert(DevOpsエンジニア向け)
  • Azure Solutions Architect Expert(ソリューションアーキテクト向け)

▼Azure認定資格について、詳しくは下の記事を参考に

Azureの資格とは?Microsoftエンジニア Azure認定資格をご紹介

Google Cloud認定資格

Google Cloud認定資格とは、グーグル社が提供するクラウドサービスGoogle Cloudが認定する、クラウドエンジニア向けの資格です。Google Cloud認定資格は、以下の3段階に分かれ、その各段階で資格が設定されています。

ユーザー認定資格(G Suiteユーザー向け)

  • G Suite

アソシエイト認定資格(6か月以上のGoogle Cloud実務経験者向け)

  • Associate Cloud Engineer

プロフェッショナル認定資格(業界経験3年以上+1年以上のGoogle Cloud実務経験者向け)

  • Professional Cloud Architect
  • Professional Cloud Developer
  • Professional Data Engineer
  • Professional Cloud DevOps Engineer
  • Professional Cloud Security Engineer
  • Professional Cloud Network Engineer
  • Professional Collaboration Engineer

※ITベンダー資格の中でも特にクラウド関連の資格は度々改訂されますので、資格取得を目指す方は頻繁に公式サイトを確認してください。

その他のITベンダー資格について

ここでは、その他のITベンダー資格をご紹介します。

SAP認定資格

ERP市場最大手であるドイツのSAP社が認定する資格で、SAPシステムに関連するスキルが認定されます。

Red Hat認定資格

クラウド技術サービスやLinux関連の開発などで世界的知名度の高いアメリカのレッドハット社が認定する資格で、20種類以上に階層化された認定資格があります。

ITIL

英国政府機関が作成したITサービスマネジメントにおける成功事例を元にした、組織化方法などのノウハウが問われる資格です。

MOS

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、マイクロソフトが認定するMicrosoftOfficeの操作能力を認定する資格で、ITエンジニア向けの資格とはいえませんが、世界で最も知名度が高いベンダー資格といえます。

まとめ

今回の記事では、IT関連の数あるベンダー資格の中で、世界的に知名度の高い資格を中心にご紹介してきました。

本文にも記載しましたが、ITベンダー資格は制度や受験料などが頻繁に変更されるため、受験を予定されている方は頻繁に各ベンダーの公式サイトをご確認ください。

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