スカイアーチネットワークスには、インフラの設計・運用を担当してもらうだけでなく、専門家として開発会社からの AWS に関する問い合わせにも対応してもらいました。
株式会社イー・ファルコン
専務取締役 吉田 聡氏
株式会社イー・ファルコンでは、適性検査『eF-1G(エフワン ジー)』のサーバーインフラとしてAWSを選択。その設計・保守運用にスカイアーチネットワークスの「クラウド運用代行」を利用しています。導入の経緯と効果について、株式会社イー・ファルコン 専務取締役 吉田 聡氏(写真)に詳しく伺いました。
株式会社イー・ファルコン
- 所在地:東京都中央区京橋3-7-5 京橋スクエア12F
- 設立:2000年11月10日
- 資本金:9,552.5万円(2011年6月現在)
- 事業概要:組織・人事コンサルティング/人材育成・研修/人材アセスメント・サーベイ/採用コンサルティング・採用アウトソーシング
- URL:http://www.e-falcon.co.jp/
心理学と統計学をベースに、200本以上の診断を開発、運用。「人」の心理や欲求、行動、意識など「人」を測定する技術と、「組織」を多次元評価する分析技術により、企業固有の人事・組織課題の「Fact Find(見える化)」と「個と組織の進化を促すプロセスの構築(できる化)」を実施し、企業活動を支援している。
導入ポイント
- AWSの可用性を100%に近づけるためクラウド運用代行を導入
- AWSの設定から監視・保守運用までのワンストップ対応を評価
- システム開発会社へのAWSに関する技術サポートにも期待
- インフラ(AWS)だけでなく、システム全体の最適化を目指した提案を実施
利用状況
年間受検者数10万件以上の適性検査サービスをAWSで運用
「クラウド運用代行」サービスを利用しているシステムについて教えてください。
『eF-1G』というサービスを提供するシステムインフラ(AWS)の運用に、「クラウド運用代行」を利用しています。
『eF-1G』は、インターネット上での回答を通して人物の特徴や機微を浮かび上がらせ、入社後のポテンシャルを把握するための適性検査です。日本人のメンタリティを正確にデータ化する純国産の適性検査として2003年より「eF-1」としてサービスの提供を開始しました。これまで500社以上の企業で採用され、総受検者数は100万件以上、年間受検者数は10万件以上に上ります。
2014年11月に内容を改訂し、『eF-1G』として新たにサービスの提供を開始しました。その際、システムを刷新すると同時に、システムのインフラもオンプレミス環境からクラウド環境(AWS)へと移行しました。
『eF-1G』の特徴について教えてください。
『eF-1G』では193項目の豊富な測定項目から適性検査を行いますが、心理学、統計学、比較文化学の第一人者による監修を受け、あらゆる知見から測定項目や設問を設計しています。そのため、採用から役職等の登用まで一貫して使えるアセスメントを提供するサービスとして、ほかに類を見ないものとなっています。
導入背景
AWSのパフォーマンスを最大限発揮するためにマネージドサービスの利用は必須
『eF-1G』の運用インフラとしてAWSを選んだねらいを教えてください。
システムの刷新にあたり、「将来性」、「スケールコントロール」、「可用性の確保」という3つのポイントを考慮しました。これら3つを実現できるのがAWSをだったため、採用を決めました。
【AWS採用のポイント1】
将来性
適性検査システムに関して、コンテンツ内容の調整や修正は必要ですが、システムの仕組みそのものは大きく変わっていくものではありません。実際、旧システムも10年来仕組みはほぼ変えずに使用してきました。
そのため、長い期間使い続けることができるサービスであることは最も重視したポイントでした。実際には、米国の政府機関や国内外の大手企業でも採用されている実績や評判を評価しました。
【AWS採用のポイント2】
スケールコントロール
旧システムにおける運用で一番不安だったのが、利用が集中したときのパフォーマンスの低下でした。特に大手企業の新卒採用時は、検査締め切り日の夜にアクセスが集中することが多く、不安を感じることも少なくありませんでした。しかも夜なので、トラブルや異常が発生しても、対応が後手になってしまいかねない状況でもありました。
AWSであれば、急激なアクセス集中にも耐えられるようにサーバーのスペックアップや増加をすぐに行えるため、スケールコントロールを行いやすく、パフォーマンスを最適化出来ると考えました。
【AWS採用のポイント3】
可用性の確保
AWSでは99.95%の可用性が担保されているので、安心して利用できると考えました。
選定理由
スカイアーチネットワークスのサポートはAWS利用の条件
AWSの運用代行を導入した理由を教えてください。
AWSでは99.95%のSLAが保証されており、高い可用性が確保されています。しかし、それはインフラ側のSLAであり、システムの稼働を保障したものではありません。夜間・休日でもシステムが止まってしまうことは許されないので、24時間365日で稼働状況の監視や保守運用にあたる必要があります。
しかし、年中無休の監視・保守運用体制を社内のリソースで対応するのは現実的ではありません。また、AWSに関する経験や知識、ノウハウもないので、AWSの監視および保守運用を安心して任せることができるベンダーに協力をしてもらうことは、AWSを採用する上で必須条件だと考えていました。
監視および保守運用を依頼するベンダーはどのように選定したのでしょうか。
オンプレミスでの開発時は、サーバーなどのインフラの構築や設定はシステムの開発会社に任せていました。しかし、開発会社にはAWSの最適化を図るのに十分な経験がなく、あらためて情報やノウハウを調べてもらったりしているとリリースの時期が遅れてしまうことも想定されました。また、システムの開発に集中してもらうためにも、AWSに詳しいベンダーにプロジェクトに入ってもらった方が良いという結論にいたりました。
さらに、オンプレミスでシステムを運用しているときも、外部の専門ベンダーにシステムの監視および保守運用をお願いしていましたので、AWSの設計・設定から監視、保守運用までをトータルで任せることができるベンダーにプロジェクトに加わってもらいたいと考え、スカイアーチネットワークスを紹介してもらい相談をしてみることにしました。
スカイアーチネットワークスのクラウド運用代行を採用した理由を教えてください。
クラウド運用代行を採用した主な理由は次の通りです。
- システムの監視・保守運用に関するメニューが充実している(24時間365日対応)。
- システムの監視・保守運用に関して実績が豊富で、AWSに関しても経験が豊富である。
- AWSの設定から監視・保守運用までワンストップで任せることができる。
- AWSに関して知識や経験が豊富なので、不明点や疑問点があれば教えてもらえる。
- 要望や疑問へ迅速かつ的確に対応してくれる。
導入効果
スカイアーチネットワークスの現場力、技術力、提案力を高く評価
クラウド運用代行の導入効果について教えてください。
システムの構築時に、AWSに関してわからないことがあればスカイアーチネットワークスに聞けばいいという安心感があり、当社だけでなくシステムの開発会社からも頼りにされる存在でした。そのため、システムインフラのことを気にすることなく、それぞれの開発会社が診断コンテンツの制作や構築に集中して取り組むことができました。
また、AWSの構築を手がけてくれた保守運用の専門ベンダーが、24時間365日体制でシステムを支えてくれているという安心感は、何事にも代えがたいものがあります。
スカイアーチネットワークスへの評価もお聞かせいただけますか。
安心感を提供する「現場力」、AWSに関する「技術力」もそうなのですが、特に評価する点は、パフォーマンス改善に向けた「提案力」です。
たとえば、パフォーマンス(負荷)テストを実施した際、インフラだけでなく、データベースの最適化に関するアドバイスも積極的にしてくれました。そのおかげで、実際にシステムのパフォーマンスを高めることができました。
正直なところ、そのような提案までしてくれるとは思ってもいませんでした。あらためてスカイアーチネットワークスがプロジェクトのメンバーにいてくれて良かったと実感したできごとの1つです。
また、当社と2つの開発会社が関わっているプロジェクトの中で、上手く隙間を埋めてくれるような働きもしてくれたことにも感謝しています。
要望と期待
システムのパフォーマンス向上に関する継続的な提案に期待
スカイアーチネットワークスへの要望や期待があればお聞かせください。
AWSへの移行は完了しましたが、まだまだパフォーマンス改善の余地はあると考えております。引き続きシステムのパフォーマンス向上を目指した様々なご提案をしていただけると大変助かります。
例えば、AWSメリットを最大限活用できるの水先案内人」の様な役割を期待しています。
当社では、時間が経過しても大きく変化をすることない「人」に関するサービスを提供していますが、一方、ITの世界は日進月歩で劇的に進化していきます。AWSに関しても、数年前であれば今回のように本格的に利用するというようなことは想像もつきませんでした。
しかも、AWSでは、明日、新しい機能が追加されたり、仕様が変わったりするようなことが、当然のこととして起こります。当社自身でそれを追従するのは容易ではありませんが、正しくリスクを理解しなければAWSのメリットを享受することはできません。
運用保守はもちろんですが、システム全体が向上するようなご提案を期待していますので、今後ともよろしくお願いいたします。
(写真右) スカイアーチネットワークス 福澤 理紗
- 取材:カスタマワイズ
- 取材日:2015年5月
- 記載の担当部署は、取材時の組織名です。