AWS認定資格の種類
AWS認定資格は、全部で12種類存在しています。2020年4月までは11種類でしたが、AWSのサービスの多様化やITの流行に合わせて12種類に増加しました。
内容としては入門資格、アソシエイト資格、プロフェッショナル資格、専門資格と難易度や分野に分かれています。それぞれどのような資格なのかを解説していきます。
1.入門的な資格
入門的な資格として『AWS認定クラウドプラクティショナー』があります。
AWSのそれぞれのサービスが、大まかにどのような機能を持っているかの理解が問われます。問題文も長くなく、難易度も一番低いので入門試験として最適です。
受験料は11,000円(税抜)。模擬試験も用意されています。
2.アソシエイト資格
次に、アソシエイトレベルの試験が3つあります。
いずれも実務経験が1年以上ある担当者を想定して試験問題が作成されていますが、実務経験がなくても受験は可能です。
受験料は15,000円(税抜)です。また、アソシエイト試験はすべて模擬試験が用意されています。下記でそれぞれの内容についてもう少し詳しく見ていきましょう。
①AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
可用性やコスト効率といった、システム設計に関する能力を問われます。AWS認定試験の中では、参考書も最も多く出版されており、取り掛かりやすいやすい資格であると考えられます。
②AWS認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイト
アカウント管理、セキュリティや自動化といった、AWSの運用に関する能力を問われます。かなり幅広い範囲で出題され、システム管理者向けの試験となっております。システム管理者向けではありますが、実際のコマンド等が試験に問われることもあります。
例えば、ELBにSSL証明書をインストールするにはどのようなコマンドを実行すればいいか、などです。したがって、AWSでの実務的なシステム管理経験が必要です。
③AWS認定 デベロッパー – アソシエイト
デプロイ、デバッグ、サーバレスフレームワークなどの構築に関する知識も出題され、AWS上のアプリケーション開発の能力が問われます。AWS上でアプリケーションを開発した経験がある方であれば非常に受かりやすい試験であると考えられます。
3.プロフェッショナル資格
アソシエイトレベルの試験よりも上の段階として、プロフェッショナル試験が用意されています。現在、以下の2種類が用意されています。
- AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル
- AWS認定 DevOps エンジニア – プロフェッショナル
いずれも実務経験が2年以上ある担当者を想定して試験問題が作成されています。
こちらも実務経験がなくても受験は可能です。また、かつてはアソシエイトレベルのAWS認定資格を持っていることが受験の前提条件でしたが、現在は前提条件が撤廃されています。
受験料は30,000円(税抜)です。プロフェッショナル試験はすべて模擬試験が用意されています。
アソシエイトレベルとプロフェッショナルレベルの試験の違いは、試験範囲の広さや難易度です。
アソシエイトレベルの試験は問題文が長くて5行程度ですが、プロフェッショナルレベルの試験は問題文が10行ほどにわたる場合もあります。
また、選択肢の長さも長いうえに75問を180分で解かなくてはいけないため、試験時間も非常にぎりぎりになってきます。
難易度が上がること以外にもプロフェッショナルレベルの試験に向けた日本語の参考書は限られており、困難が伴う中で勉強を進めていく必要があります。
そんなプロフェッショナルレベルの試験の内容について、記載していきます。
①AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル
AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイトの上位として位置づけられている試験です。可用性やコストに加え、大規模なシステムの移行や、オンプレミスとパブリッククラウドの接続といった知識を問われます。
問題文や選択肢が非常に長く、出題されるAWSのサービスの範囲も非常に広いのが特徴です。
②AWS認定 DevOps エンジニア – プロフェッショナル
AWS認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイトおよび、AWS認定 デベロッパー – アソシエイトの上位として位置づけられている試験です。デプロイ、デバッグ、CICDによる継続的なリリース、組織のガバナンス、セキュリティといった幅広い内容の知識を問われます。
試験の特徴としては、AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナルほど問題文や選択肢は長くないですが、実際のコードやJSONファイルが出題されるなど、運用と開発の両方を経験していないと合格が厳しい内容になっています。
4.専門資格
アソシエイトレベルおよびプロフェショナルレベルの試験とは別に、専門性に関する試験が用意されています。現在、以下の6種類が用意されています。
- AWS認定 高度なネットワーキング – 専門知識
- AWS認定 セキュリティ – 専門知識
- AWS認定 データ分析 – 専門知識(旧AWS認定ビッグデータ – 専門知識)
- AWS認定 機械学習 – 専門知識
- AWS認定 データベース – 専門知識
いずれもAWSでの実務経験が2年以上あり、かつ当該の分野で5年以上の経験がある担当者を想定して試験問題が作成されています。こちらも実務経験がなくても受験は可能です。
受験料は30,000円(税抜き)。なお、アソシエイトレベルとプロフェッショナルレベルの試験は模擬試験が用意されていました、専門資格は1部のテストで模擬試験が用意されていません。
アソシエイトレベルおよびプロフェショナルレベルの試験の違いは、AWSに関する知識以外に、当該の分野に関する深い知識も必要になってくる点です。
アソシエイトレベルおよびプロフェショナルレベルでも、ITの基本的な知識は必要になりますが、専門資格では一層深い知識が求められます。
例えばAWS認定高度なネットワーキング – 専門知識では、WANのルーティング技術であるBGPに関する知識がないと解けない問題が出題されますし、AWSデータ分析 – 専門知識の問題文はHiveやPrestoといった技術について知っておかないと問題文を理解できません。
したがって、受験に向けてはAWSの知識以外にも、一般的なセキュリティ、NW、機械学習、データ分析などの知識が必要になります。
それではそれぞれどのような試験なのか、内容について記載していきます。
①AWS認定 高度なネットワーキング – 専門知識
AWSのネットワークアーキテクチャに関する知識、オンプレミスとの接続、ネットワークセキュリティなどの知識が問われます。AWSの知識だけでなく、VPNやBGPといったネットワークの基本的な知識が問われます。
②AWS認定 セキュリティ – 専門知識
暗号化やAWSのセキュリティサービスに関する知識が問われます。フォレンジックや最小権限の原則といった、セキュリティに関する基本的な知識をもって試験の準備を進めるといいでしょう。また、HTTPSやSSHといった、ネットワークに関する知識も必要です。
③AWS認定 データ分析 – 専門知識(旧AWS認定ビッグデータ – 専門知識)
データ分析に関する知識や、データの保管に関するコスト管理、セキュリティ等の知識が問われます。2020年4月にAWS認定ビッグデータ – 専門知識という試験の名前から変更になりました。
④AWS認定 機械学習 – 専門知識
AWSの機械学習関連サービスに関する知識を問われます。AWSの試験ガイドからダウンロードできるサンプル問題を見るとわかりますが、AWS色が非常に薄い試験となっています。
また、サンプル問題の解説に論文がリンクされており、合格には機械学習に関する基本的な知識が必要であることがわかります。
⑤AWS認定 データベース – 専門知識
AWSのデータベースサービスに関する知識が問われます。2020年4月にリリースされた新しい試験です。AWSはRDBSのほか、NoSQLやキャッシュサービスなど様々なデータベースサービスが提供されているため、それらのユースケースを理解しておく必要があります。