キャリアコンサルタントの概要や試験内容とは?国家資格になった理由は?


キャリアコンサルタントの概要や試験内容とは?国家資格になった理由は?

キャリアコンサルタントとは

現在日本ではさまざまな分野で、キャリアコンサルタントが活躍しています。キャリアコンサルタントが国家資格になるまでのキャリアコンサルタントの歴史と、勉強方法や試験の概要などを詳しくご説明します。

キャリアコンサルタントの概要

キャリアコンサルタントは「職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門家」と定義づけられています。キャリアコンサルタントは資格を持ち、厚生省に登録をしていないとキャリアコンサルタントと名乗ってはいけなく、守秘義務やモラルなどに対しても厳しい資格なのです。
実際に仕事をしている人だけでなく、学生に対してや専業主婦に対してなど幅広くアドバイスを送るのがキャリアコンサルタントです。キャリアコンサルタントではありますが、実際は人生相談ともいえるのです。

キャリアコンサルタントが向いている人

常に相談者と向き合う必要のあるキャリアコンサルタントは、「誰かの役に立ちたい」と考える人が最も向いているといえます。特に以下のような人はキャリアコンサルタントに向いています。

  • 相手の立場になって話を聞ける人
  • 新しい情報を常に探すことができる人
  • 経験豊富な人

キャリアコンサルタントはまず相談者の話を聞く必要があります。そのため相手の立場になって話を聞くことが大切です。また相談者の言うことを否定しないことも大切です。時には相手の考えていることがわかる洞察力が必要になるケースもあります。

また相手にあった提案をする必要があるため、常に新しい情報を仕入れることができる必要があります。経験豊富であれば色々なアドバイスをすることができます。特に自分が転職などで苦労をした場合、経験談を含めた話を相談者にすることができるのです。

キャリアコンサルタントの歴史

歴史

もともと日本には無かったキャリアコンサルタントですが、どのように普及していったのでしょうか。キャリアコンサルタントの歴史は少子化や年功序列の崩壊など、日本の動きに比例しているのです。

なぜキャリアコンサルタントができたのか

キャリアコンサルタントがする仕事であるキャリアカウンセリングは、アメリカの若者の離職率が増えたことから適正な仕事を見つけるための職業指導運動がアメリカで起こったことからできた仕事です。
日本では2002年に厚生労働省が少子化により働き手が減ることを懸念し民間資格としてキャリアコンサルタントが誕生したのです。

なぜキャリアコンサルタントが国家資格になったのか

キャリアコンサルタントは2016年4月に国家資格になったのですが、日本の経済や社会環境の変化に大きく影響されています。これまで日本に長年あった終身雇用、また年功序列がなくなっていったのです。
そのためこれまで以上に職業の選択肢が広がり、一人一人仕事に対する考え方などの個性がでるようになりました。しかし中にはこのような社会についていけなくなった人も増えました。そのような人達を助ける需要性が高まったことから、キャリアコンサルタントは国家資格に認定されました。

キャリアコンサルタントが活躍している様子

それではキャリアコンサルタントはどのような仕事をしているのでしょうか。主に以下の業種があげられます。

  1. 人材派遣会社
  2. ハローワークなど公的就業支援機関
  3. その他の企業
1人材派遣会社

人材派遣会社は求職者と求人企業のマッチングが重要です。求職者のニーズを理解し、求人企業が求める求職者の能力を引きだすことが重要で、まさにキャリアコンサルタントの腕の見せどころだといえます。

2ハローワークなど公的就業支援機関

派遣会社のように民間企業だけでなく、ハローワークなど公的就業支援機関も多くあります。求職者と話をして、能力を引き出し企業のニーズとマッチングする点は人材派遣会社と変わりません。
他にも高校や大学などの教育機関でも新卒者に対して、キャリアアップのお手伝いをすることもあります。

3そのほかの企業

企業の中でも人事や教育部門などで支援をしたり、直接カウンセリングをするケースもあります。いずれの企業であってもキャリアアップは必須であり、キャリアコンサルタントのニーズは高まっています。

キャリアコンサルタントの試験

ここではキャリアコンサルタントの資格を取得するための以下の情報を詳しくご説明します。

  • 試験の内容
  • 試験日
  • 申し込み方法
  • 勉強方法

試験の内容

キャリアコンサルタントの試験内容は、大きくわけて以下の5つの分野にわかれています。

  1. キャリアコンサルティングの社会的意義
  2. キャリアコンサルティングの理論
  3. 職業能力開発促進法・その他関係法令
  4. キャリアコンサルティングの実務
  5. キャリアコンサルタントの倫理と行動

キャリアコンサルタントとは何かを深く理解すること以外に、メンタルヘルスケアや社会情勢など仕事に関連する知識を幅広くつけることが必要です。

試験日

キャリアコンサルティングの試験は毎年2月、5月、8月、11月の4回あります。2月、8月、11月の3回しかない場合もあるので前もって確認してください。

申し込み方法

キャリアコンサルタント試験ホームページよりWEB申請をするか、郵送申請をするかの2通りとなります。

  • WEB申請 ホームページからマイページの登録をして、必要書類のアップロードや決済手続きを行います。
  • 郵送申請 ホームページにて申請書類をダウンロードするか資料請求をして、簡易書留か特定記録にて郵送をします。

勉強方法

キャリアコンサルタント資格を得るためには、厚生労働大臣認可である養成講座を受講することがおすすめです。通信講座を3か月間受けたあと、スクールに10日間通うことになります。このスクールは土日だけで受講することもできるので、現在仕事をしている方でも問題ありません。
このスクールに通う10日間で面接・論述対策を行うため実技に関してはほぼ問題ありません。しかし学科に関しては覚えるべき内容が多くしっかりと時間をかけて勉強する必要があります。

費用

キャリアコンサルタントとして働くためには、費用が発生するケースがいくつかあります。

受験費

キャリアコンサルティングを受験するためには、学科試験と実技試験の両方に費用が必要です。

学科試験 実技試験(論述と面接)
8,900円 29,900円

登録料

さらに合格をすると厚生労働省に登録をする必要があるのですが、その際にも費用が必要になります。

手数料 登録免許税
8,000円 9,000円

キャリアコンサルタント試験に合格をしても、厚生労働省に登録をしないとキャリアコンサルタントを名乗ることができません。

更新費用

キャリアコンサルタントは5年に一度更新が必要になります。労働法は定期的に変更になり、常に新しい情報を身に着けておく必要があるためです。5年に一度厚生労働大臣が指定している更新講習を受ける必要があるのですが、全て受講すると20~50万円かかると考えておいてください。
しかしこの5年以内にキャリアコンサルティング技能士に合格していれば、講習を受ける必要はなくなります。キャリアコンサルティング技能士はキャリアコンサルタントの上位資格にあたります。キャリコンサルティング技能士は一度取得をすれば更新をする必要はありません。

キャリアコンサルティング技能士との違い

キャリアコンサルティング技能士になるためには、国家検定であるキャリアコンサルティング技能検定に合格をする必要があります。キャリアコンサルティング技能士になるためには、キャリアコンサルタント試験に合格できるレベルの中でも上位の知識が必要になります。