RPAとVBAの違いとは?自動化によって業務を効率化し生産性を向上


RPAとVBAの違いとは?自動化によって業務を効率化し生産性を向上させるために知っておきたい基礎知識

RPAとVBAは、ともに業務を自動化するためのソリューションですが、機能や対応できるデータ量、システムやアプリケーションとの連携などの面で大きな違いがあります。そこで今回は、RPAとVBAの違いと自動化によって業務を効率化し生産性を向上させるために知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説します。

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボットによる業務の自動化のことです。プログラミングしなくてもロボットに業務フローを記憶させることで自動化できるため、自動化が進んでいた製造業の生産工程ばかりでなく、金融業、小売・卸業、サービス業、建設・不動産業、飲食業、物流・運送業、娯楽・レジャー産業など、さまざまな分野で活用され自動化によって業務を効率化し生産性を向上させています。

RPAでなにができる

RPAを活用することで、原則、従来パソコンを使っておこなっていた業務はすべて自動化できます。例をあげると以下の業務などが自動化できます。

  • Webアプリケーションを利用する作業
  • スマートフォンアプリからの申し込みなどのデータを業務システムに登録する業務
  • システム導入や業務移管におけるデータ移行
  • 予約情報を更新し、システムに転記する業務
  • 競合店の商品やサービスの価格を調査し集計する作業
  • 店舗の売上日報を集計し報告する業務
  • 量販店のPOSデータを収集・分析する業務
  • 商品やサービスをWeb上に登録する作業
  • 勤怠管理、給与計算などの人事関連業務

VBAとは

VBAとは

VBA(Visual Basic for Applications)とは、Excelマクロを記述するプログラム言語ですが、Excelマクロの機能をさすことばとして使われています。

Excelマクロは、エクセルでおこなう作業をプログラム言語に変換し、プログラム化して記録することで、エクセルでおこなう作業を自動化して、簡単な操作で実行可能にします。Excelマクロでプログラム化された一連の作業は、自動化され何度でも繰り返し実行できます。

VBAでなにができる

VBAでできることは、RPAと同様、従来パソコンを使っておこなっていた業務の自動化ですが、自動化できるのはOfficeアプリケーションやドキュメント内での操作に限られます。例をあげると以下の業務などが自動化できます。

  • 「データを合計して平均値を計算する」「一定の条件のデータを抽出してグラフ化する」など、複数の作業を一括でできるようにする
  • Excelと他のOfficeアプリケーション(PowerPointやWord)を連携して行う作業

RPAとVBAの違い

RPAとVBAについてそれぞれ紹介しましたが、ここからは本題であるRPAとVBAの違いについて解説します。

機能の違い

RPAとVBAの最も大きな違いは、自動化できる範囲の違いです。RPAが自動化できる範囲は広く、原則、従来パソコンを使っておこなっていた業務はすべて自動化できます。一方、VBAが自動化できる範囲は狭くOfficeアプリケーションやドキュメント内での操作に限られます。

現場で使い勝手がいいのは

RPAとVBAは、データの集計やグラフ作成、グラフや表の作成、文書・フォルダの作成、メール受信などの作業ではともに実行が可能ですが、VBAを使った自動化にはプログラム言語であるVBAの知識とスキルが必要になります。

一方、RPAはVBAと比較すると高度な知識とスキルは必要ではなく、現場で簡単に業務の自動化ができるサービスや製品が多くあります。

また、RPAはプログラミングのスキルと経験がない現場の人材でも作業手順のテンプレートにしたがってRPAの調整や修正が可能なため、プログラミングスキルのある人材を高度なプロジェクトや開発に充てることができます。

データ量が多い作業にむいているのは

RPAはVBAと比較してデータ量が多い作業にむいています。

RPAはサーバーやクラウド上で動作するため、大量のデータであっても高速で処理することが可能ですが、VBAはExcelマクロとしてパソコン上で動作するため、処理のスピードには限界があり、大量のデータ処理には不向きで、作業速度が低下し最悪フリーズしてしまいます。

RPAは、データ量が多い作業にむいており、企業の業務でありがちな商品やサービスの情報や顧客情報、問い合わせや申し込み情報など、膨大なデータ処理の自動化と高速処理を可能とするのです。

システムとの連携は

VBAはOfficeアプリケーションなどのマイクロソフト社以外の製品と基本的に連携できません。

一方、RPAは、多くのシステムとの連携が可能です。自社で構築してきたシステムと連携すれば、さらに自動化の範囲が広がります。

Webアプリケーションとの連携

近年、Webアプリケーションを活用した作業が増加しています。VBAで作業を自動化するのは困難ですが、RPAによってWebアプリケーションの操作が自動化できます。RPAは複数のアプリケーションを巡回して作業に必要なデータを収集してまとめることも可能です。

RPAの4つの種類

VBAで作業していたがRPAを導入して、業務に自動化の範囲を拡大しようと検討する場合、知っておきたいのがRPAの4つの種類です。

デスクトップ型

デスクトップ型は、小規模な作業に適したRPAで、パソコンごとに導入をおこない、社員個人で管理が可能です。他部門との連携が少ない、機密性の高い業務に適しています。

サーバー型

サーバー型は、企業のサーバーやコンピューター機器を活用してRPAのソフトウェアをインストールして導入する方法です。サーバー型は、大量なデータで複雑な処理が必要な業務を自動化することが可能です。

企業のサーバーやコンピューター機器を活用するため、企業に合ったカスタマイズが可能なうえサーバー型にはテンプレートが多く、テンプレートを活用することで、RPAの調整や修正が可能です。

デメリットは、コストがかかる点です。企業のサーバーやコンピューター機器を活用するため導入コストとメンテナンスコストがかかります。また、RPA導入に伴い、既存のサーバーやコンピューター機器の買い替えが発生した場合は、その分のコストがかかります。

サーバー型は、導入を検討する際にコスト面や機器類の現状確認と予算の検討などが必要なので、導入までに時間がかかる点もスピード感が重視される現代のビジネスにおいて注意が必要です。

クラウド型

クラウド型は、インターネット上のクラウドサービスを活用して、クラウド環境上にRPAを導入する方法です。サーバー型のように最適なサーバーやコンピューター機器を用意する必要がありません。

企業のサーバーやコンピューター機器を活用する必要がないため導入コストとメンテナンスコストがかかりません。また、RPA導入に伴い、既存のサーバーやコンピューター機器の買い替えが発生することもありません。

クラウド型は、導入までに時間がかからず、スピード感が重視される現代のビジネスにおいては魅力的なプランで、大企業と比較すると資金とリソースが潤沢でない中小企業でも導入が検討できます。

AWSで迅速にRPAを構築する

クラウド型のRPA は多くのサービスプランが提供されていますが、クラウド環境としてAWSを活用したプランは、迅速に低コストでRPAの導入を実現します。

AWSの柔軟で拡張性のあるクラウド環境を業務の一部にテスト的に導入し、効果を検証したうえで本格的に導入に踏み切ることもできます。

まとめ

RPAとVBAの違いは、「RPAが従来パソコンを使っておこなっていた業務をすべて自動化できる一方、VBAはOfficeアプリケーションやドキュメント内での操作に限られる点」「VBAはRPAと比較すると高度な知識とスキルが必要な点」「RPAはVBAと比較してデータ量が多い作業にむいている点」「RPAはVBAと比較して、多くのシステムやアプリとの連携が可能な点」があげられます。RPAは、VBAで対応が困難だった企業のさまざまな業務において自動化を可能とします。RPAのテクノロジーを活用した業務自動化のサービスは多くの企業から提案されていますので、自社に合ったプランを検討することが自動化によって業務を効率化して生産性を向上させるカギでしょう。